【中編】彼女の本音と彼氏の事情
「碧?」


「へっ?」


「お前、変わってないな。自分の世界に入っちまうとこ。」


陸斗は、ニヤっと笑った。


私って、昔からそうだったっけ?


けど、陸斗の笑いが懐かしくて。


そうだったんだって、思う。


「人は、そんなにすぐ変われないよ。」


「そんなんわかってるよ。」


さっきまで笑ってた陸斗の顔が一気に切なそうになった。


「陸斗、どうかした?」


「いや。なんでもない。いくぞ。」


陸斗は、何事もなかったように私の手を掴み歩き出した。


そんな陸斗に私はホッとした。
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