【中編】彼女の本音と彼氏の事情
「あっ?碧じゃね?」


「へっ?」


私は、呼ばれた方を向いた。


私を呼び捨てするのは、限られてるから。


「やっぱり。」


笑顔で近づいてくる奴は、元彼の陸斗だった。


「陸斗...」


「あれ?碧と陸斗って知り合いなの?」


由香が横で首を傾げて不思議そうだった。


てか、由香も陸斗と知り合いなんだ。


「まあな。元気だった?」


昔みたいに私の頭をなでた。


変わってないな。


てか、こいつのせいでもあるよね。


確実に瞬に言えないのは。


「碧、今日つき合え。由香、碧を借りるから。」


陸斗は、強引に私の腕を掴みどこかへ向かった。


「陸斗?」


私は、驚いて陸斗についていくしかできなかった。


「碧、今日はいい日になるぞ。俺にできる唯一の償い。」


私は、切なそうに言う陸斗を見て、胸が苦しくなった。


「陸斗?」


「よし。デートだ。」
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