砂に書いたアイラブユー
「もしかしたら、俺たちって似た者同士かもね」


「ええ。駿一もあたしも似た者よ。だから話が合うんだわ」


 奈々がそう言って頷いてみせる。


 僕たちはデッキチェアーに座ったまま、目の前に広がる海を見続けていた。


 そして時折、アイソトニックウオーターの入ったボトルのキャップを捻り開けて、口を付ける。


 喉の奥がひんやりとしていた。


 まるで蒸発でもしてしまいそうなぐらい、辺りは蒸し暑いのだが……。


 僕たちは海を見つめながら、椅子に横になっている。


 午後で人影が疎らになり始めているビーチに佇んで、真昼の時間を送りながら……。


 僕も奈々もささやかながら幸せを感じ取れていた。


 二人で寄り添いながら、そっと口付け合ったりもして、愛情を確かめ合う。


 一緒にいられるだけでも十分幸せなのだ。

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