砂に書いたアイラブユー
 そして僕が、喘ぎながらベッドに横になっている奈々に、


「気持ちよかった?」


 と訊くと、彼女が頷く。


 僕たちはその夜、互いに腕を絡ませながら、ベッドに横になっていた。


 そう、確か深夜から早朝ぐらいまで、話をし続けていたような気がする。


 朝方、太陽が昇ってきて、日差しが照り始めた。


 夏の朝が始まる。


 僕は奈々の寝息を聞きながら、キッチンへと入っていき、彼女の部屋であるにも拘(かかわ)らず、水道を捻ってグラスに水を注ぎ飲み始めた。


 軽く一杯ぐらい飲むと、落ち着く。


 そして水を飲み終わると、大きく伸びをして、リビングに移動する。


 奈々はまだベッドに横になっていた。


 スースーという寝息が聞こえている。

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