砂に書いたアイラブユー
 昨日、ほぼ丸一日蒸されるようなビーチにいたし、昨夜が熱かったからか、彼女はかなりの程度体力を消耗しているようだった。


 普通の同年代ぐらいの女性だったら起きていてもおかしくない時間帯まで眠っている。


 僕は自分が起きたのが午前九時過ぎであることをケータイのフリップを開いて、待ち受け画面を見てから知っていた。


 そして僕は奈々に寄り添い、


「……もうそろそろ起きてもいいんじゃない?」


 と呟くようにして言ってみた。


「うん。そうね」


 眠たげな奈々が頷き、彼女は僕に起こされて欠伸しながら、ベッドから起き上がる。


 キッチンにある冷蔵庫を覗き込み、カップにインスタントコーヒーの粉末を入れて、上から牛乳を注ぎ足す。


 カフェオレにして丸々一杯飲んだ。


「フゥー」

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