砂に書いたアイラブユー
 僕たちは大学の長い夏休みをフルに使って、寛いでいる。


 絶好の充電期間だと思って……。


 キスし合ったとき、唇にしょっぱい感覚があった。


 海にいて、磯の香りが付いたからである。


 だが、僕も奈々も嫌な顔をせずに、口付け合う。


 ビーチで過ごす時間をこの上なく楽しいと感じながら……。


 そしてこれから舞い降りてくる灼熱(しゃくねつ)の夜を予感しながら……。
 
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