砂に書いたアイラブユー
 僕も奈々も楽しみになっていた。


 三日後のカフェテリアは盛り上がるだろう。


 まだまだ夢を語る段階に過ぎないのだが……。


 そして僕たちは歩き出そうとしていた。


 抱く夢に向かってまっすぐと。


 多少のことがあってもへこたれない。


 お互い目指す目標が高いのだから。


 今から最高峰にまで登るつもりでいるから、僕も奈々も訪れる試練がいくらでもあるのを感じていた。


 先月行った海で書いたアイラブユーの文字を、また書ける日が来ることを祈りながら……。


 厳しい現実も二人でいられれば、難なくこなせるような気がしている。


 涼しい風が吹き始めた。


 紛れもなく秋の訪れである。
< 40 / 119 >

この作品をシェア

pagetop