砂に書いたアイラブユー
第10章
10
「あたし、来年四月から奨学金を無料でもらえることになったの。たまたまだけど、成績がいいから」
「そう」
「うん。だから、これからは奨学金とバイト代で何とか暮らしていけそう」
「俺も借りてるけど、さすがに勉強してないし、君と違って劣等生だからな。卒業まで借り続けることになると思う」
「でも駿一は作家志望なんでしょ?じゃあ、そっちで生計立てられるようになれば、それでいいじゃん」
「うん。自分で言うのもなんだけど、まだ若いから、しっかり文芸やるよ」
「頑張ってね。陰ながら応援してるから」
「ありがとう」
僕は礼を言って、手元の文芸雑誌を閉じ、読んでしまっていたページにしおりを挟む。
そして息をついた。
コーヒーが美味しい。
「あたし、来年四月から奨学金を無料でもらえることになったの。たまたまだけど、成績がいいから」
「そう」
「うん。だから、これからは奨学金とバイト代で何とか暮らしていけそう」
「俺も借りてるけど、さすがに勉強してないし、君と違って劣等生だからな。卒業まで借り続けることになると思う」
「でも駿一は作家志望なんでしょ?じゃあ、そっちで生計立てられるようになれば、それでいいじゃん」
「うん。自分で言うのもなんだけど、まだ若いから、しっかり文芸やるよ」
「頑張ってね。陰ながら応援してるから」
「ありがとう」
僕は礼を言って、手元の文芸雑誌を閉じ、読んでしまっていたページにしおりを挟む。
そして息をついた。
コーヒーが美味しい。