砂に書いたアイラブユー
 季節の変わり目で、夏場のような暑さはないものの、冷たいコーヒーを無性に飲みたくなる。


 そして僕は近くにいたカフェのウエイトレスに、


「コーヒーもう一杯いいですか?」
 

 と訊いてみた。


「かしこまりました」


 ウエイトレスがそう言い、僕の手元に置いてあったグラスを盆に載せて、厨房へと向かう。


 カツカツと足音を鳴らしながら、ウエイトレスは歩いていく。


「君は専門の勉強は進んでるんだろ?」


「ええ、お陰様でね。体調もいいから、毎日図書館に通い詰めてるわ」


「留学するんだったら、相当勉強しないとね」


「うん。ただ、滅茶苦茶に頑張らなくても、スローペースでやれるから。一応四年生の終わりまでって期限が決まってるけどね」

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