砂に書いたアイラブユー
「じゃあ、しっかりやれよ。俺も作品書き続けるから」


 僕がそう言って頷いていると、奈々がドーナツを摘んで口に入れる。


 手元にはアイスティーがあって、冷たくして淹れてあるので、グラス表面には水滴が浮き出ていた。


「お待たせいたしました」


 僕の方にもアイスコーヒーが出され、二人でしばらく時間を過ごす。


 カフェテリアは学生が多くいたが、さすがに学食ほどの騒がしさはない。


 考えてみれば、今の学生は大人気ない人間が多い。


 学校に来ても勉強どころか、遊んでばかりなのだ。


 それに僕や奈々のように純粋に付き合っているカップルは少ないような気がする。


 返って、二股三股を掛けるなどの学生がやけに多いようだ。


 つまり恋愛に関しても、お堅いものは抜きということだろう。


 だが、僕も奈々もそういった学内の風潮の中で、恋愛を楽しめていた。

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