砂に書いたアイラブユー
 夏が終わり、すでに秋になっていて、長袖シャツが恋しい季節になる。

 
 僕もそろそろ衣替えしようかなと思っていたし、奈々もそう思っているようだ。


 夏の疲れは秋に出てくる。


 二人でしばらくカフェテリアで歓談し、それが終わると、僕たちは手を繋いで学内を素通りした。


 そして足は自然と奈々のマンションに伸びる。


 彼女は今日僕を呼ぶつもりで、温かい食事を作ってくれていたらしい。


 僕が奈々の部屋に入っていくと、シチューの匂いがしていた。


「今晩はシチューなんだね?」


「ええ。……嫌い?」


「そんなことない。今夜は冷え込みそうだから、二人で食事取ったら、またベッドで寛ごうね」


「うん。駿一も一日中パソコンと睨めっこしてると疲れると思うから、なるだけ心身ともに休めて」

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