砂に書いたアイラブユー
 僕がベッドから起き出して、冷蔵庫があるキッチンへと歩いていく。


 恋人の部屋なので、勝手は知っているのだ。


 四角い箱に見える冷蔵庫の扉を開け、僕は中からミネラルウオーターを取り出した。


 そして振り向く。


「飲む?」


「ええ。一つ持ってきて。小さい三百ミリのを」


「分かった」


 僕が頷き、ボトルを二つ取って、冷蔵庫をバタンと閉める。


 僕たちはまたベッド上で歓談し始めた。


 もちろん抱き合いながら、だ。


 秋に入っていたので、涼しくなっている。


 僕たちは辺りの気温が少しだけ冷たくなったのを感じていた。


 さすがにこれから一気に寒い冬に向かうだろうと思われる。
< 54 / 119 >

この作品をシェア

pagetop