砂に書いたアイラブユー
「確かにな」


「でも、あたしは想ってるわ。駿一のこと」


「俺も君を想ってるよ。大好きだから」


 二人でおでこ同士をごっつんこさせ、僕たちはまた抱き合い続ける。


 暑い夏が終わったので、扇風機はすでに片付けられていた。


 僕も奈々も部屋の中に幾分寒さを覚えながらも、また腕同士を絡ませる。


 絶え間ない愛情が続く。


 決して途切れることなくずっと……。


 そして僕たちは一緒にお風呂に入り、体を洗い合った。


 疲れは残らず入浴で落としてしまうのである。


 僕が奈々の髪と体を洗うと、彼女も僕の体を洗ってくれた。


 二人で泡まみれになりながら、僕たちは入浴を楽しむ。


 浴槽に溜めていたお湯に泡が浮いて、溢れ返っていた。
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