砂に書いたアイラブユー
第12章
     12
 風呂から上がると、僕たちはリビングへ入っていった。


 夜の時間は一際長い。


 秋なので、幾分センチメンタルになる。


 僕も奈々も洗い髪をタオルで拭きながら、寛いでいた。


 その夜、僕たちはベッドで添い寝する。


 秋の夜長もあっという間に更け、新しい朝が訪れていた。


 風が涼しい朝だった。


 僕たちは同じベッドで眠っている。


 気持ちが落ち着かないのは分かっていながらも……。
 

 そして僕が先に起き出し、奈々にコーヒーを淹れて、上からラップを掛ける。


 冷えないように、してだ。


 自分にも一杯淹れ、飲み始めた。
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