砂に書いたアイラブユー
 朝一のコーヒーはやはり美味しい。


 僕もすっかり目が覚めて、覚醒してしまった後、洗面台に向かう。


 洗顔フォームで綺麗に顔を洗って、奈々から使い捨てタイプのヒゲソリを借り、伸びていた髭を残らず剃り落とした。


 歯磨き粉のミントの香りが辺りに漂っている。


 僕はその匂いを嗅ぎ取りながら、リビングへと舞い戻る。


 ちょうど奈々が起きていて、コーヒーを啜っていた。


 一杯だけじゃ足りなかったらしく、二杯目を作り、カップに口を付ける。


「奈々」


「何?」


「俺、今日はいったん帰るよ。また日を空けて会おう」


「うん。駿一も書き物頑張ってね」


「ああ」

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