砂に書いたアイラブユー
生活費を稼ごうと思っていた。


 夜勤のバイトである。


 昼間しっかり執筆して、夕方になると夕食を食べ終え、少し仮眠を取ってからバイト先に向かうつもりでいた。


 幸い、履歴書の代わりとなるエントリーシートに必要なことを全て記入し終えると、僕は採用され、すぐにその会社に行った。


「塚原君」


「はい」


「これ、貸与制服だから、勤務中はちゃんと着てから仕事してね」


 上司の坂上がそう言い、僕に半袖の制服を手渡す。


 受け取った僕はロッカールームへと行き、そこで着替え始めた。


 上に着ていた長袖のシャツを脱いで、Tシャツの上から制服を着る。


 ブルーの地で、胸元には<株式会社渡邊警備保障>とあった。


 僕は幾分汗を掻いていたので、脇下にデオドラントを振る。
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