砂に書いたアイラブユー
 ケータイの小さなキーを叩きながら、メールを作る。


 もうすぐ夜明けで、一際寒かった。


 僕は奈々にメールした後、通りを歩いていく。


 夜勤が終わったとあってか、とてもゆっくりと、歩くスピードを落として……。


 僕と奈々は繋がっているのだった。


 目に見えない何かで。


 それは互いに離れていても、分かる類のものだった。


 僕は自宅マンションに帰り着くと、鍵を使って扉を開ける。


 バタン。


 部屋に入った瞬間、背後からオートロックされる音が聞こえてきた。


 僕自身、疲れきっていたので洗面所で歯磨きをし、脂がいくらか浮いた顔を洗顔フォームで綺麗に洗って、ベッドにダイブする。


 そのまま寝入ってしまった。

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