砂に書いたアイラブユー
 時が流れていき、やがて僕たち二人は海に着いた。


 春の海は和やかだ。


 僕と奈々以外にはほとんど人がいなくて、僕たちはしばらくの間、砂の上に腰掛けていた。


 ジーンズに海水の塩分が混じった砂が付くのだが、別に気にはならない。


 僕たちは寛ぎ続けていた。


 春の温かい日差しを浴びながら……。


 辺り一帯に漂う麗(うら)らかさを感じ取りながら……。


 そしていつの間にか僕たちは砂浜の上で絡み始めた。


 愛おしい部位を愛撫し合う。


「あ、あっ……」


 奈々が喘ぎながら、徐々に呼吸を熱くする。


 僕が彼女の乳房から下半身へと手を回しながら、愛撫を繰り返した。

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