砂に書いたアイラブユー
でもいいのだ。


 代わりに創作にはかなりの熱が入る。


 僕は新作を作りながら、時折体を休める。


 ベッドに横になって、ゆっくりと。


 疲れを感じていたので、きついときは無理しなかった。


 その電話が掛かってきたのは、ちょうどその年の七月上旬だった。


 連日暑い日が続く中、僕はキーを叩き続けている。


 公募していた日本ミステリーノベル大賞はどうかな、と待ちながら……。


 自宅の固定電話が鳴り出したので、ナンバーディスプレイに映っている03で始まる番号を見て、何かを感じ取り、一瞬躊躇ったものの出てみた。


 電話を右耳に押し当てると、三十代ぐらいの女性の声が聞こえてくる。


「塚原駿一さんのお電話でしょうか?」


 ――ええ、そうですが。
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