あなたが触れる度に


友達から彼氏に変わる。
こんな感じなんだ、そう実感した。


私のことを一番に考えてくれて、「好きだよ。」
そう言っていつも優しく口付けてくれる。


毎日のメール。おやすみの電話。

出かける約束。記念日のデート。

うん、完璧すぎる。


雅樹は正直モテる。
なのに何で私なんだろう?


そう聞くと、


「菜々の全部が好き。」


なんて甘く囁く。


調子に乗りたくなくても乗っちゃう言葉に、ノロケと言われても仕方がない。


でも、怖いんだ。


いつか愛想をつかれて
笑顔を見れなくなる日が。


だって私、特別なもの
何も持ってないでしょう?




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