あなたが触れる度に
「菜々ちゃんを見たとき、この子だ!て思った。
もう一度言う。
この店の最初のカットモデルになってほしい。」
いつしか真剣な眼差しに変わっていた。
この店の最初のカットモデル…
だから、楠本さんはあんなに必死に説得をしたのか。
私は、やっぱりカットモデルが終了したら用無し?
…何考えてんだ、私。
そんなの当たり前じゃん。
だけど、だけど…
「私は…カットモデルの為だけの…存在…?」
「えっ?」
「それが終わったら…私は…いらないですよね…」
「…菜々ちゃん…?」
なに、言ってるの?
楠本さん、困ってるじゃん。
なのに、言葉は止まらない。