あなたが触れる度に


明るくは、なれないでしょう。


そう口にする元気もなく、
私は下を向いた。


今日は快晴だった。
雲一つない。


「菜々、雅樹くんのこと、本当にいいの?」


そんな質問、今は何とも言えない。


雅樹は私といて、幸せだったのだろうか。


雅樹は、心から笑えていたのだろうか。


今更と思う疑問が、
次から次へと溢れだす。


恋愛はやっぱり嫌いだ。


…違う。


私の優柔不断の性格が、
そうさせてしまうのかもしれない。



< 52 / 67 >

この作品をシェア

pagetop