あなたが触れる度に


「へぇ〜。カットモデルなんていいじゃん!だって無料でしょ?
いいわ〜、代わりにやらせて!」


そう言ってあははと笑うのは
高校から一緒の、丸山美紀。


大学でも同じ学部で、常に一緒にいる。


私の善き理解者、だと思う。


「でも私、髪切るつもりないし。それに……」


「俺が長いのが好きだって言ったから?」


―この声は…


「雅樹くんじゃん!」


「おはよ、美紀ちゃん。」


美紀ににこりと微笑んで私の手元から名刺を取り上げた。


「あ!ちょっと…


「カットモデルとか、かっけぇな。やってみれば?
俺もお前の髪、好きだし。」


さらっと私の髪に触れる。





< 8 / 67 >

この作品をシェア

pagetop