天使になれなかった。
act.4
陽はまた昇る。
その言葉の通りに次の朝は来た。
だけど、あたしの朝はこない。
制服に着替えて髪をセットし化粧をする。準備が整えば、なるべく音をたてないように階段を降りてリビングへむかう。
リビングのガラス扉の前で立ち止まり息をとめる。
違う。息がとまる。
無意識に酸素を吸い込むことができなくなるのだ。
扉の向こうからはテレビの音が軽快に響いている。
胃のなかで何かが喚き散らすように暴れたので、胃に手をあてて自分の体温を確かめさせて何とか落ち着かせた。