天使になれなかった。

放課後、あたしが愛人関係にある議員と会って某大手会社の社長と絡んでいる間、凛羽は弁護士の黒い行為をネット流出させている。

全ての作戦をやり終えたら無人工場で会った。


「今日の稼ぎいくら?」

「んー…四百万ちょいぐらい?」

「ニュースでもネットでも大騒ぎだよ」

「なんのことがー?」

あたしは寝っころがって冷たい地面に頬をつけた。


「いろんなこと」



錆びの匂いに包まれて空を見上げる。

夕焼けが眩しい。

全ての色が淡いオレンジ色に変わる。


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