天使になれなかった。
罵声をあびせながら
髪を鷲掴みにして頬を平手打ちにして、倒れ込むあたしの背中を蹴りあげる。
さらにあたしを起きあがらせて、容赦なく殴る殴る殴る。
腹を蹴って、腕をつねりあげて、倒れたらまた蹴りながら頬に唾を吐きつけて顔を踏みつける。
そしてまた起きあがらせて、倒れるまで殴り倒す。
永遠に続きそうなループ。
「ごめんなさいッ…!!」
「…ごめんなさいッ!!」
「ごめんなさ……ッ」
訳も分からずただひたすら泣きながら謝る。
そうやって義理母が落ち着くのを待っていた。
小さくなって逃げようとしたり手で攻撃を防ごうとすれば倍の力で殴られる。
畳の匂いが充満している部屋で。