天使になれなかった。のレビュー一覧
「世界を壊してみたくない?」 汚れた理不尽な世界で、それはあまりに魅力的な言葉だった。 * 少女は世界に絶望していたから。 少年もまた、世界に絶望していたから。 共鳴したのだ。 この世界を壊す理由なんて、それだけで充分だった。 * 哀しいとは違う、胸を心を抉るような痛みがひたすらに切なくて。この世の底辺を垣間見たような気がしました。 結末は、果たして彼らを幸せにしたのだろうか。 ぜひご一読を。
読後に残った不思議な感情……この想いをなんと表現したらいいのか、うまく説明ができない。 悲しくはない。決して悲しくはないんです。ただ少し痛くて、苦しいくらいせつなかった。 夢を叶えた彼は、それで救われたんだろうか? そもそも何が彼と彼女にとって救いだったのだろうか? 独特の語り口と世界観が、好きです。
どんなにあらがおうとも、世界は我々を圧制する。 彼は世界に何を伝えようとしたのか。 繊細な世界描写に、息詰まる程の物語の展開。 現実と虚構の狭間に、垣間見える真実。 どうです、貴方も読みませんか? この方、最強です。 私も読みきれてないので、 自信のある方に読んで頂きたいと思います。
凄い、としか言いようがない位でございます。 若い頃に読んでいたらきっと、理解は出来なかったでしょう。 今この時に、この作品に出逢えて本当に良かったと思えます。 過激と言えば過激ですが。 もしかしたら『普通』とも言える様な、世界。 とにかく凄い、としか。
怒りや悲しみを超えた絶望感に晒されるしかなくて コールタールみたいに澱んだ世界しか目に映らなくなった時に 同種の匂いを持つ人間に出会ったら 無言で同士の手を取るのは、ごく自然 主人公の少女【藍】と、とある計画のパートナー【凛羽】の関係は、砂糖菓子のクズ程も甘くないけれど、その代わりとても澄んでいる。 あまり表向きに書かれていないメッセージや作品テーマを、Syuさんの尖った感性で書かれた文章から肌で感じ取るのが、一番この作品を読むのにいい読み方だと思います。 桜井亜美や、JTリロイの世界観が好きな人にはオススメ。 ただ、少々過激な部分もありますので、過激な描写が苦手な方はご注意を。