セ ン チ メ ン ト
Chapter.1
鉛色センチメント
side//choco
ぎし、ってベッドが軋んだ。
あ、って声を上げる間もない。
今日もまたかーって思いながら、心は隔離。
心を置いていたら
心がズタズタに引き裂かれてしまうから。
ボロボロになって壊れてしまうから。
ぎしぎし軋むベッド。
今日もまた、あたしを抱くパパ。
ほんとうは泣きたいけど、泣かないのは。
泣いたら余計に、悲しくなって、しまうから。
ぎしぎし軋むベッド。
はあはあ、荒い呼吸。
濡れてないけど、ねじ込まれる、もの。
この器官が濡れてくれたら、少しでもあたしは救われるでしょう、か。
それが叶わないことを、あたしは誰よりも知っていた。