セ ン チ メ ン ト

「しかし一年で人って変わるもんだよね」

「ねー…」


うなづきあう
そんなあたしたちの方に、


ずかずかと突き進んでくる、
黒髪ショート。



「よーす!」



今日も何枚のつけまを盛った?
って

聞きたくなるぐらいの


アイメイク。


涼子が、
ピースサインをしてた。



「…見た?ニナ」

「あー…あれすごいよね、速攻で國ちゃんに連行されてた」



指導員の先生の名前に、

タマちゃんが大きなため息をついた。



涼子も見たらしい、
ニナちゃんのニューヘア。



「あの子普通にピーチブラウンとかでいいんじゃないの?」


呆れた顔の、涼子。

当たり前か、とも思う。



色が白くて、
可愛い顔してるのに、

ちょっと台無し。




それでもきっと、

國ちゃんに怒られても、


染めろって言われても、



ニナは染めない気がした。




木口くんと、
同じでいたいだろうから。








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