運命なんて信じない。


2分後


「もー終わり?独立した賊になりてぇなら、もーちょっと鍛えねぇとな――」


彼は、こう言ってから「ん―――ッ」と伸びをしました。


「……………」


サリは、口をポカンと開けたまま、ただただ呆気にとられています。


(さっき、綺麗だとか思っちゃってごめんなさい……。全然そんな事無いです。メチャクチャ痛々しいです。てかむしろグロいです)



血で真っ赤に染まった地面には、11人の人間がうつ伏せだったり、あるいは仰向けだったり、色んな格好で倒れています。


しかし、意識こそ無いものの、全員生きていました。


「心配すんな。みんな生きてるよ」


そう言った彼は、近くに倒れていた賊の頭の傍にしゃがみ、頭の上着をガサゴソ漁り始めました。


「……どっちが賊か分かんないね」


彼はブッと吹き出してから答えます。


「ははッ!!でもこんくらいは勘弁して貰わねぇと」


サリには、彼の反応が少し意外でした。彼女が今まで仕えてきた所でこんな事言おうものなら、殴られていたからです。


だから、正直自分の発言にもびっくりしました。



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