運命なんて信じない。
ウェンズは、いきなり喋り出したサリを見て、目を丸くしています。
「貴方、一体何の為にあたしを助けたの?言っておくけど、あたしお金、持ってないよ。まぁ、文明が崩壊した今、そんな物なんの役にもたたないけど。」
サリは、ウェンズに口を挟ませず、さらにまくし立てました。
不安と興奮で頭が真っ白になったサリは、暴走して言葉が勝手にポンポン出てきて止まりません。
「じゃあ何?服?体?命?あたし、もっかい奴隷にはなれないよ。 時間無いから。あたし、まだ自由じゃないの。やらなきゃいけないこと沢山あるから、もし何か渡さなきゃいけないなら体で―――」
「――ちょっと待った!!」
彼の声で、サリはハッと我に返りました。
――あたし、助けてくれた人に、酷い事――――……
(わ―――――――ッッ!!!!
ど、どどどどうしよう!! 怒らせちゃった!? 怒らせちゃったよね今!! 絶対!!!)
サリは俯いて彼から目を逸らしました。彼の瞳を見ている事が出来なくなってしまったのです。
「ご、ごめんなさい……、あたし―――……」
――あたし、最低。
「なぁ」