運命なんて信じない。
第1章 “自由”
少年
ここは、200年程前に文明が崩壊した世界。
かつて、ここらの土地には沢山の小さな国がありました。
小さな国達は、ある時はお互いに助け合い、ある時は戦争をして、何とか実力を均衡に保っておりました。
けれども、ある時、その均衡が破られ、世界が滅茶苦茶になり文明が崩壊してしまったのです。
ルールも秩序も無くなったこの世界では、賊や危ない商売が爆発的に増えました。
人を攫って来ては、食料や水と交換。
攫われた人達は、奴隷として死ぬまで働かされたり、女性――特に美しい人などは、男に酷い事をされたりしました。
今日も、奴隷を運ぶ檻付き馬車が通ります。