運命なんて信じない。
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……で、その後僕が貴方を担いで、この診療所まで来ました」
「回想シーン無駄に長い上に内容薄っぺらかったな―――」
ウェンズはいつの間にか起き上がっていました。
腹の傷は、もう半分以上治っています。
青年はウェンズのツッコミを敢えてスルーして言いました。
「やっぱり治りが早いですね。ブレスレットをせず寝たのは正解だったようです」
ウェンズは、最初はツッコミを無視された事にムッとして口をへの字にしていましたが、青年の口からブレスレットの単語が出てきて、急に顔色を変えました。
目つきも鋭くなり、殺気立ってるのが見て取れます。
「アンタ、あのプレートの事知ってるって事はもしかして……!!!」
(研究員か………!!!)
ウェンズは歯ぎしりしながら問いかけました。
その声には、強い憎しみが含まれています。
青年はニッコリ頷いて言いました。
「………そうです。僕は昨日酒場にいた歴史オタクです」
「………は?」
ウェンズは眉間にシワを寄せて口をポカンとしました。