運命なんて信じない。
「あぁ、言い忘れてたけど、私はロゼ。さっきの野太い声は私の兄貴のジン。
歴史オタクで変り者だけど……まぁ、多分悪い奴じゃないから大丈夫よ。
歴史の事となると人格変わるから、そこだけ気を付けて」
バタンッ
ロゼは言いたい事を全部言うと、さっさと家の中に入っていってしまいました。
「………………」
(……嵐みたいな人だな………)
サリは彼女の迫力に気圧されて、その場にただつっ立っている事しかできません。
数秒経った頃、またガチャッと扉が開いてロゼが顔を出しました。
「ほらっ、早く入んなさいよ!!」
「え、あ、はいっ!!」
彼女の声には、サリを従えさせてしまうような凄みがあるようです。
(あたしも入って良かったんだ……)
入ってウェンズの無事を確認したい。
しかし彼を怒らせてしまった手前、顔を合わせにくい。
ウェンズに会いたいような会いたくないような、微妙な気持ちでサリは家に入っていきました。