運命なんて信じない。
ウェンズの目的
「吐きなさい。死神のみぞ知る“過去”を」
「嫌だね」
床に散らばった薬品を入れるための瓶の欠片。
割ったのは、他でもない……ウェンズ。
姿勢を低くして手刀を構え、臨戦態勢になってウェンズと、木刀を握っているジンが睨み合っています。
ジンが、おもむろに口を開きました。
「飴あげますから」
「マジ!?」
ウェンズの目が一瞬輝きます。
が、彼はすぐ首を軽く振りました。
「……ッ、んな手には乗らねーよ」
「……今どき、子供でもこんなパターンな誘惑に引っ掛かりませんよ。精神年齢 何歳ですか」
好奇心に目を爛々と光らせながら、ジンが木刀を持ち上げます。
「うるせーな。つーか何でアンタが、ブレスレットの事知ってんだよ。歴史オタクだけじゃ理由にならねーだろーが」
ウェンズも負けじと目付きを鋭くしました。