運命なんて信じない。
「……フッ、オタクの執念を舐めちゃあいけませんよ」
ジンはまた眼鏡をキラリと光らせます。
「アンタ、さっきからちょくちょくカッコつけてない――?」
ウェンズは眉間にシワを寄せずにはいられません。
ジンが再び喋り出しました。しかも、まるで玩具をもらった子供のように嬉しそうに。
「昨日、僕がここ……つまり診療所にいたら、全身の骨が粉々になって息も絶え絶えの患者さんが来たんです」
ウェンズは目を半開きにして、いかにも欝陶しそうな表情をしています。
彼は指をポキリと鳴らして言いました。
「へ―――――――。で、それが何――?」
「貴方、絶対聞く気無いでしょう……
まぁ、それは置いといて。
普通、そんな大怪我した人が運ばれてきたら怪しむじゃないですか。どうしてこんな怪我を負ったのか」
ジンは下を向き、クククと思い出し笑いをしてから言います。
眼鏡のレンズが、コ●ン君みたく輝いていました。
「だから僕は、その患者を運んできた人に言ったんです。“どうしてこんなに酷い怪我を?”って」
「……で、死神が酒場に居るって聞いて酒場に行く途中、俺たちを見つけた……って事か」
ウェンズは溜め息をつきます。
よっぽど彼の話が面白くなかったようです。
「で、オチは?」