運命なんて信じない。
「死神なんて何処にでもいるような代物では無いでしょう?
だから、僕……このチャンスを逃したらもう、二度と死神に会えないんじゃないかって思ったんですね。
それで……その患者さんを半分ほったらかしにして貴方を探してたんですよ」
「ちゃんと治療してやれよ!!
アンタ医者だろ!!!
オチがシャレになんねーよ!!!」
ウェンズば眉尻を下げて、呆れ顔で言いました。
どうやら彼の脳内は、患者<歴史のようですね。
「大丈夫ですよ。帰ってきた頃、まだ生きてましたから。
その後しっかり手当てしましたし」
「そーゆー問題じゃなくて!!道徳的な何かが………!!
まぁ俺が怪我させちまったんだけどっっ」
ウェンズは頭を抱えました。
彼はもうヤケクソです。
この変人の相手をするのには、きっと余程の精神力と忍耐力、あと心の広さが必要なのではないでしょうか。
ウェンズがまた何かを言おうと口を開きかけたとき、誰かの足音が聞こえました。
………バタバタバタバタ
バタ――――――ン!!!
「ジン!!!」