運命なんて信じない。
「いや、そんな事ね―よ―――?
負担だってアンタが思ってる程酷くねーし、アンタが医者として心配するようなモンでもねーよ」
ウェンズは笑顔を崩さず言いました。
ジンはそんなウェンズを見て微笑むと、「よかった」と呟きます。
「ここに来たのだって、二十歳まで生きられないんなら死ぬまで旅を続けてたいなって思っただけ―――。
アンタらが思ってるような深い意味は無いよ――?」
ウェンズが言い終わると同時にジンが縄を解ききりました。
「「…………」」
2人の間に、暫しの沈黙が流れます。
「……ここは、豊かな村だな」
ウェンズが、突然静寂を破るように言いました。
「そうなのですか?」
ジンは立ち上がり、縄を片付けながら受け答えます。