無限のつばさ
 地球はどこも砂漠と化していた…。


   …生物は滅びたが…
 …今、一匹の犬が長い眠りから目覚めようとしていた…。


   …パラドックス…

 だが、確かに今一匹の犬は存在している。ただ彼には今の状況を語る術も思考する能力もなかった。

 彼はこの世界を見渡した…本能だけが「生きろ」という信号を送っていた。

 照りつける日差し、気温は50℃を超えている。彼はへっへっと荒い息遣いで、舌を出しながら、太陽の日差しとは逆方向に歩むことにした。
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