無限のつばさ


 現時点での彼の目蓋の重さは、疲労なのか?


 それとも、習慣的なものなのか?

 なにしろ、ざっと30年は寝て起きて星を眺めての繰り返しだったのだ。もはや、彼のこの行動は疲労からなのではなく、30年で身に付いた習性というのが的確であろう。


 彼の耳がぴくぴく動く…

 ゴオオという音が轟いているのだ。

 嵐…


 到底この環境状態で水分を含んだ嵐はありえない。砂嵐がやってくるのた。

 まるで、この時を待っていたと言わんばかりに彼の方へ近づいてきたのだ。しかし、彼は今動くのは逆に危険だと動物本能から指示が飛んできたのだ。

 堪え忍ぶ…それしかない。

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