開かない窓
視線が鋭利な刃物のように俺の心に突き刺さる。普通の奴なら視線を逸らし逃げ出してもおかしくないが、俺はそれらを何とか耐えて受け止めた。

まあ、当然逃げるという選択肢は最初から俺にはなかった・・・頼にそれだけの恐怖心を植えつけたのだから。もう、頼が自分の中で俺の存在を完全に消し去ろうが、一生をかけて憎み抜こうが俺は全て報いとして受け入れることにした。でも、どうしても言いたい事がある。これだけは伝えておかなくては・・・・・・

俺は喉の奥から振り絞るように声を出した。

「頼・・・・・本当にごめんな。」

「は、ごめん・・・・・?首絞めといて、何いってんの!?」

よほど興奮しているのか、声がかなり上ずっている。
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