開かない窓
(・・・・・・・・・か、可哀相に)

俺があの時、月岡さんを呼び止めたことを少し後悔していた時の事だ。
奥のドアからなにか物音が聞こえる。

流石にそこまで部外者が入ってはいけないだろうと思い、少し待ってみた。
すると一分も経たないうちに奥のドアがゆっくりと開き、箒と塵取りを持った生徒が出てきた。

「つ・・・・月岡さん・・・・?」

「・・・・ん?君は確か・・・そう、今村君だったよね?こんな、遅くまで・・・君も何か部活に入っているの?」

「いえ・・・・あの。」
それだけ言うと彼は、ああ。と頷きながら言った。

「え~と・・・昼間に聞きたい事があるとか言ってたな・・・だから待ってたのか?」
俺は深く頷いた。

「そっか、待たせて悪かったね・・・じゃあコレ片したら終わりにするから少し待ってて。歩きながら話そう。」

「はい。」

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