開かない窓

「ああ、思い出した思い出した！後ね、血や脳漿がそこら中に飛び散ってたよ～それから････」

「もう、止めてください････」

俺は思わず、話を中断させた。これ以上聞きたくなかった。

「･･･････どうして？」

話をやめて俺を見つめるその視線は先ほどの顔とは打って変わって、すごく冷ややかだった。
声のトーンも明らかに今までとは違う、何かを押し殺したような低く暗い声。

「どうして？･･･････だって今村君、キミから聞いてきたんだよね？事件のこと教えて欲しいって。だから俺はわざわざ教えてやったんだよ？なにが不満な訳？まさか････今の話で自分が想像して気分が悪くなったからやめて欲しいなんて言わねぇよな！？」

「つ････月岡さん」

確実に、彼の口調が変わっていた。さっきまで割と穏やかだった笑顔はもうそこには微塵もなく、憤怒の眼差しで俺を睨みつけると、激昂した。