開かない窓
「?その子、自殺だろ?なんで犯人がいるんだよ。」

「あ、いえ・・・・そうですね」

「ま、いいけどさ・・・・・【H・Y】の女ってウチの学校結構いるよな。ほら、お前と一緒にいた子・・・・浜本 頼だっけ?あの子も【H・Y】だし」

(頼・・・確かにH・Y。でも、あいつは多分事件とは何の関係もないはずだ・・・多分。)

「つっても、そのハンカチも大方、付き合ってた彼女とかの私物じゃないの?」
月岡さんは肩を竦めつつ言った。

(付き合ってる・・・・・彼女・・・・・・悠里!?)

藤村 悠里・・・・また【H・Y】。何なんだ??こんな、偶然あるのか??まさか・・・・何か関わってたりしてないよな?
そこまで思うと、俺は自分の考えを激しく嫌悪した。

まさか・・・・?俺は、何を考えているんだ。たかがイニシャルぐらいであの2人を疑うなんてどうかしてる!

(あいつらは何も関係ない。そうだ、信じなきゃいけないんだ。信じなきゃ・・・・・)

「おい、聞いてるのか?」
月岡さんが訝しげに俺を見ている。・・・・・・最近よく意識が飛ぶな、大丈夫か俺。
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