開かない窓
『でてもロクな事は無いからシカトしよう、そうしよう』

俺は棚の引き出しから耳栓を取り出し、耳にはめた。100均で買ったせいか多少漏れて聞こえるが、まあつけないよりはマシだろう。

しばらく放っておくと、しつこかった携帯がピタリと止まった。

(やっと諦めたか。さて、そろそろ・・・・・)

ピピピピッ・・・・・ピピピピッ・・・

耳栓を外し、学校へ向かおうとしたら再び鳴り出した。

(し、信じられない・・・・)

しかも全く止まる気配がない。ここまでくると何か怖いものを感じる。
仕方なくさっき閉じた携帯をまた開く。すると今度は別の名前が表示されていた。

『橘 ちはや』

(あれ?ちはや?アイツがここまでかけてくるの珍しいな・・・・・)

頼がしつこくかけてくるのはまだ解るが、ちはやは予想できない・・・・・・となれば話は別だ。俺は躊躇いなく通話ボタンを押した。


「もしもし?」
< 129 / 191 >

この作品をシェア

pagetop