開かない窓
「ちょっと!!」

「うわっ!!」
ちはやの少し高めで、おっとりとした声は聞こえず、何故か、頼の甲高い罵声が耳に入ってきた。
俺の耳は、ちはやの声を聞く準備をしていたので、思いもよらない声に心臓が3㎝飛び出るくらい驚いた。

「私の携帯は無視ったくせに、ちはやのにはすぐでるってどういう了見じゃぁぁ!!」

「よ・・・・頼?なんでお前がちはやの携帯に!?」

「キミが私の携帯にでないから、ちはやの携帯を貸してもらってかけるハメになったのよ!」

「ああ、そうなんだ・・・・・」
(コイツ、考えたな・・・・)

「ああ、そうなんだ・・・じゃないわよ!私の納得のいく説明をしてもらいたいわ!」

相当ご立腹のようだ。まあ、以前のことも含め罪悪感があるので、取りあえず素直に謝っておく事にした。

「ほんとごめん・・・・その、トイレにいってて気付かなかったんだ・・・」

我ながら凄く嘘くさい言い訳とは思うが、この際仕方が無い。
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