開かない窓

野次馬を押しのけ、全速力で何とか現旧校舎付近へ辿り着いたが、すでに多数の生徒が集まっていて先へ進むことが出来なかった。遺体はとっくに警察が病院へと搬送したらしく、代わりに白いロープが人の形を作っていた。

黄色いテープが張られ立ち入り禁止になった旧校舎を見ると、本当に人が、いや月岡さんがここで殺されたんだとゆう事が現実だと改めて思い知らされた。

「そういや、蓮はどうしてるんだろう？」

「知らない･･･でも、きっとショックだったろうね。」
ちはやは、しんみりとした口調で言った。

「案外そこらのトイレにひきこもってるんじゃないの？」
頼は、何も考えてなさそうな口調で言った。

「相田先輩、さっき見たっすよ？」
突然、後ろから非常に軽薄な声が聞こえ、俺達は振り返った。

「麗！」

「ご無沙汰っす～先輩方」