開かない窓
「・・・・・・だって、先輩の彼氏死んだじゃないですかぁ。」

「な、お前・・・・・・知ってたのか?」

「知ってるも何も・・・藤村先輩が俺に言ったんですよ~好きな人に告白するから応援してくれって。でも、正直死んでくれて良かったぁ~って思ってます。」

「・・・・・・・!!」
あまりに無神経なその言葉に俺は言葉が出なかった。ちはやと頼は不思議そうな顔をしている。

「もー冗談ですよぉ・・・すごく悲しかったです。」

俺達の反応を見て、何かを感じ取っているのかいないのか、彼はゆっくり俯きながらポツっと呟いた。

俺は、そうゆう彼の表情を何とか覗こうとしたが、元々長い前髪が俯いた事で完全に目元を隠してしまった為、表情が全く読めない。よって何を考えて発言しているのか俺には理解できなかった。あるいはワザとそうしているのだろうか?

確実に言えるのは、彼は月岡さんの死を悲しいと思っていないとゆう事。それを、頼も感じたのか整った眉を少し顰めながら言った。

「嘘くさいわね・・・」

頼の発言に心外だったのか、綾人は珍しくムキになったようですぐに言い返した。

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