開かない窓

自我の崩壊

「ふ~ん、じゃあ私は先に教室行ってるわ」

「待って、僕も行くよ!ねぇ優一、後で蓮の様子教えてね?」
ちはやが、そっと耳打ちしてきた。自分も部室に行きたかったらしいが、どうやら蓮と2人っきりにさせようと気遣ったらしい。

「ああ」

その気持ちに感謝しつつ、俺はしっかりと頷いた。

こうして、ちはや達と別れて、俺は単身で蓮がいる部室へ行く事にした。
なぜか足取りが重い・・・昨日月岡さんに会いに来たのとシュチュエーションが同じだからだろうか?

友達に、蓮に会うだけなのに、何故か心臓が早鐘のように鳴り響く。

(あれだけ尊敬してたからな・・・・・・)

蓮にかける言葉を悩んでいるうちに、陸上部の部室へと着いてしまった。すごく時間をかけてここに来た気がする。

俺は気持ちを落ち着けるために深呼吸を1つして、ドアノブに手をかけた。

カチャ・・・・・・

鍵がかかっていると思っていたのだが、ドアはいとも簡単に開いてしまった。どうやらかかってなかったようだ。
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