開かない窓

「蓮、涼夜は死んだ。部内メール来ただろうが･･････いい加減認めろ。」

突然、神条さんは何の感慨も、一片の感情も含まれない声で言い放った。

（え！神条さん！？）

「何、いってんですか？？」
あまり気にしてないフリをしてはいるが、明らかに蓮は彼の言葉に激しく動揺してい
た。

「･････････。」
嫌な沈黙が続く中、それ以上何も言わない神条さんに痺れを切らしたのか、蓮の矛先は俺へと向けられた。

「なぁ優一、聞いたか？神条さん、変な事いうんだぜ～月岡さんが死んだって！笑えねぇ～！！」

と言いつつケタケタ笑っている蓮に、俺はうすら寒いものを感じた。

「月岡さんが死んだなんてさ～嘘だよな？嘘に決まってる、よ･･････な、優一･･･頼むから嘘って言ってくれよ！？なあ･･････なぁっ！！」

さっきまで笑ってた蓮が必死の形相で、俺の肩を掴みながら同意を求めてくる。最後の方は、ほぼ絶叫に近かった。

俺はそれ以上彼に何も言えず、肩を掴まれたまま、目を逸らしてしまった。
あまりに解りやすい拒絶に、蓮は酷くショックを受けたのかペタンと力無くその場にへたり込んでしまった。

俺も神条さんも、そんな蓮を黙って見下ろすしかなかった。